炭のお話
目次
- 池田炭(能勢菊炭)
- 茶の湯炭とは
- お茶室は癒しの空間!
- 炭窯と動物
- 炭の種類
- 恐るべし炭のパワー
- 池田炭と灰
- 安価な炭に御注意!!
- ニセ池田炭に御注意!!
- 炭は大切な資源
- 炭のデメリットと炭火使用の注意点
- 炭の利用例
- 森の名人
池田炭(能勢菊炭)
茶の湯炭(池田炭)と紀州備長炭は日本木炭の傑作です。
世界の木炭の傑作といっても過言ではありません。
池田炭の歴史は古く、池田市伏尾町の久安寺が1145年(久安元年)から1870年(明治3年)まで宮中御茶用として池田炭を献上し、1595年(文禄4年)には豊臣秀吉が同寺で観月の茶会を催したと伝えられています。
特に池田炭はその形が優れ、燃料というよりやきもの的気品があり、燃焼性も優れています。
池田炭はクヌギの黒炭で、室町末期から江戸初期に、茶の湯の師匠、武野紹鴎、千利休らにより改良されたといわれています。
関東では佐倉炭、関西では池田炭が有名です。 佐倉炭は今では名前しか残っておりませんが、池田炭は現在も3人の方が焼いていらっしゃいます。 特に池田炭が茶の湯炭として評価が高く、また、歴史も古いのです。 現在でもお茶席においては、最高級茶炭として池田炭が使われています。
池田炭の名で知られる能勢の菊炭は、その昔、銀の精錬用として焼かれはじめました。 しかしあまりに良質なため、池田・大阪方面にも出荷され、やがて京都の茶席などに使われるようになりました。 菊炭は名前の由来の通り、切り口が「菊の花」のように均一に割れ目があり、燃え尽きた後にも白い灰がそのままの姿で残ります。
池田炭は、他産地の炭よりマグネシュームの含有量が多い為、純白の灰ができるのです。茶道ではその灰などの風情、火付き・火持ちが良く扱い易いことから、現在もお茶席には欠かせない炭として,持にもてはやされています。
また、最近ではお部屋のインテリアとしても使用されており、モダン和風のお部屋では、必須アイテムのひとつになっています。
池田がこの菊炭の集散地であったことから池田炭と名づけられました。昔 当店がある池田市新町には、炭の取引が盛んで、その取引が、北新町・中新町・西本町の3ヶ所で行われ、炭問屋も40軒を超えるほど有りました。
当時の池田にとって池田炭は一大産業だったんです。
戦後まもなくまで、池田炭の問屋・小売店が数多く軒を連ねていましたが、 電気・ガスの普及により燃料としての炭需要が著しく減り、この新町に取り扱う問屋・小売店が極端に減少し、現在では、炭問屋はなくなり、池田炭を扱う小売店は、弊店だけになってしまいました。
最近は、炭ブームもあってかなり炭が見直されています。 お部屋のインテリアや消臭・除湿・マイナスイオン発生・水質浄化・空気浄化などなど、 ここに挙げきれないほどの効果があり、燃料としての炭本来の使われ方より、違った使い方をしているのが最近の傾向です。
そんな良いことずくめの池田炭も炭焼きの後継者がおらず、現在3人の方が炭を焼いておられますが、 一人を除いては、何れの方も高齢の為いつまで継承できるのかが心配されています。
こんな優れた伝統工芸品と言っていいほどの池田炭を後世に残したいものです。
能勢菊炭の集散地であった池田市新町から池田炭(菊炭)を当店がお届けいたします。
茶の湯炭とは
茶の湯炭で有名な池田炭と、紀州和歌山の備長炭は、炭の傑作と言っても過言じゃ有りません。
室町時代に中国から伝来した闘茶は、村田珠光、武野紹鴎、千利休の手によって、改良を加えられ、日本独自の文化である茶道として大成します。
日本人ならではの繊細なおもてなしの心と、簡素・静寂を旨とする侘数寄と言う価値観によって、茶道は、茶会を通じて美学を体現する、一種の教養となりました。
居心地の良い茶室を演出する為に、茶人達は競って、見た目麗しく、穏やかにいこり、それでいて暖かく、しかも長持ちする炭を求めました。その要求に応えるべく、炭焼き職人達がその技術の粋をつぎ込んで焼き上げたのが、池田炭の茶道炭(茶の湯炭)です。
茶の湯炭は、非常に細かく、多岐に渡る品質水準が求められます。これらを満たす為、選りすぐられた樹齢7~8年のクヌギを、1本丸ごと無駄なく使うことで、それぞれ異なる寸法が必要とされる炭を焼き上げ、茶道炭の技術は発展してきたのです。
美しく高品質な茶の湯炭(池田炭)をもって、日本の炭焼き技術は世界の頂点に達したのです。
お茶室は癒しの空間!
昔からある茶室は、床下が炭の貯蔵庫になっていることが多いのです。 かなりの量の炭が貯蔵されていました、10俵~20俵ぐらいではないかと思います。 炭からはマイナスイオンが大量に出ています。 御存知の通りマイナスイオンには癒しの効果があります。 よって茶室は癒しの空間であることには間違いありません。
戦国時代の武将達もおおいに茶室を利用していたそうです。 お茶を楽しむのは勿論ですが、精神安定や精神統一といった、メンタル面での利用が多かったのではないかと思われます。 豊臣秀吉もそういった利用をしていたのではないでしょうか。 武士だけではなく癒しを求める人たちも利用したようです。 何しろ炭には、癒しの効果以外に、調湿・消臭・空気浄化などなどさまざまな効果があり、 その効果は炭の量が多ければ多いほど絶大です。
昔の人が炭の効果を知って茶室に入っていたかどうかは定かではありませんが、 炭を理に適った使い方をしていたのは間違いないようです。
炭窯と動物
炭焼き窯のほとんどが、里山の山中に有ります。炭窯や炭窯の近くには、小動物などがよく集まってくるそうです。
炭からマイナスイオンが発生しますから、炭窯はマイナスイオンの貯蔵庫見たいなもんで、マイナスイオンは上で述べたように癒しの効果が有ります。
動物も炭に癒しの効果があるのを本能的に知っているのではないでしょうか。
だから炭焼きをする前には、必ず窯の中に動物がいないかどうか確認するそうです。
動物も癒しを求めて窯に住み着くみたいです。
人間も同じで、炭窯に住み着きはしませんが、 炭焼きをしている間は、寝ずの番をよくするので、睡眠不足も手伝って、窯のそばで居眠りをよくするそうです。そこには炭が大量にありますから、マイナスイオンの癒しの効果で、癒されて居眠りをよくするのも理解できます。
炭の種類
炭には、黒炭と白炭があります。基本的に炭の焼き方はどちらも同じです。
しかし最終工程に違いがあります。
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黒炭
炭材はクヌギ、コナラ、クリ、マツ、ブナなど比較的柔らかい木を使います。
火が着きやすく扱いやすい炭ですが、燃焼時間が短いのが特徴です。
池田炭においては備長炭と違ってあまり爆ぜたりしませんし、 黒炭の中では火もちはいいほうです。 見た目が黒く断面が菊の花模様になっていて、多孔質で炭化しても樹皮が残っていて、もろいのが特徴です。 製炭方法は窯の中に炭材(池田炭はクヌギ)を1500kg~2000kgぐらい入れます。 そして火を入れてから(約 3日間)温度は400度~700度で蒸し焼きにします。 炭材の炭化が終わると煙突の煙が少し薄い紫色がかった色になった頃を見計らって、 窯口を土や粘土で密閉し空気を遮断します。自然に温度が下がるのを(約4日間)待ち、 炭を窯から出してやっと炭の出来上がりです。出来上がった炭の重さは元の約5分の1の重さに成ります。 黒炭の代表的なものとして最高級池田炭(大阪府)、岩手木炭(岩手県)千葉県の「佐倉炭」などがあり、 炭材は、池田炭はクヌギが使われ、岩手木炭は、ミズナラが使われています。 -
白炭
炭材はウバメガシ、アラカシ、ナラ、など硬い木を使います。 火は着きにくいですが、火力が強く燃焼時間が長い為、焼き鳥や蒲焼など食品の焼き物の燃料として使用されています。 ただよく爆ぜることがあり、お茶炭には不向きです。 見た目は全体に灰色ぽく、樹皮は燃え尽きてしまい残っていません。 断面はガラスが割れた跡のようにつるっとし黒光りしています。 炭質が金属(ハガネ)より硬くのこぎりでは切れません。 たたき合わせると「キーンキーン」と澄んだ金属音がします。 製炭方法は黒炭と蒸し焼きまでは同じで、黒炭は窯口を密閉するのに対し白炭は、 ほぼ炭化が済んだ炭を窯口を開け、大量の空気を送り込み窯の中の温度を700度から一気に1000度~1200度までにします。 この作業を「ねらし」といいます。 樹皮が残らないのはこの時に樹皮が燃え尽きてしまうからです。 そしてすぐに窯の外へかき出され、「消粉」といって水分を含んだ灰と土を混ぜ合わせたものをかけて消火されます。 そのときの「消粉」の灰が表面に残るから灰色っぽく白く見えるので白炭と言います。 白炭の代表的なものは「紀州備長炭」(和歌山)、東北地方の「ナラ白炭」や四国・九州地方の「カシ白炭」などがあります。
恐るべし炭のパワー
炭は様々な効果があるといわれています。
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除湿・加湿効果
池田炭には小さな孔が無数にあり、このため水や空気が通りやすく、通った時に色々な物を吸着してくれます。 湿度が高い時などは、湿気を吸着し、逆に乾燥している時には、その水分を放出してくれます。 押入れ、タンス、下駄箱、靴などにも池田炭を入れておくのをお勧めします。 おまけに消臭・脱臭効果もあります。 正に天然の加湿機と除湿機です。 -
水の浄化効果
炭は水中においては、無数の孔が水中の不純物を吸着し、それを分解して浄化してくれます。 花瓶に池田炭を入れておくと、炭が水道水の塩素や有機物を吸着するため、水が浄化され、また花から発するエチレンガスを吸収するため、花が長持ちします。 また花といっしょに炭を生けても素敵です。観賞魚の水槽などにもご使用して頂けます。 -
鮮度保持効果
冷蔵庫の野菜室の底に通気性のある袋・布等で池田炭を入れておくと、野菜が放出するエチレンガスを炭が吸収し、野菜の新鮮さを保つとともに持ちもよくなります。 -
脱臭効果
炭が吸い込むのは、水分や水中の不純物だけではありません、お部屋の中で浮遊する悪臭の成分や不純物も吸い取ります。 したがって脱臭効果もある訳です。とくに池田炭は、備長炭などの白炭より脱臭効果は優れています。 お部屋の臭い取りは勿論の事、冷蔵庫・下駄箱などにも御利用いただけます。 クローゼットなどに置かれると、衣類を脱臭と除湿効果で守ってくれます。 -
マイナスイオン効果
人の健康には空気中にマイナスイオンが多い方が良いといわれています。 山や森の中へ入って滝や渓流の近くへ行くと気分が爽快になるのは、水が砕けて細かな水滴となるときにマイナスイオンを発生させるからです。 炭からもそのマイナスイオンが出ています。炭から出るマイナスイオンが、心身をリラックスさせ落ち着いた気分にさせてくれますし、おまけに鎮静効果もあります。 池田炭をお部屋のインテリアとして置けば、お部屋のマイナスイオンも増加しますし、お部屋に居ながらにして森林浴と同じ効果をあじわえます。 -
癒しの効果
焚き火を長時間眺めていても飽きないのは何故?囲炉裏や火鉢などで炭火を見ていても不思議と飽きません。 これもマイナスイオンの効果です。炭に火が着くことによって火の魔力とマイナスイオン効果と遠赤外線効果の相乗効果によって癒されるのです。 ご家庭内で焚き火をする訳にはいきません。お庭で焚き火されてもいいんですが、最近では消防署もナーバスになっていますし、簡単に焚き火も出来ません。 小さな火鉢がホームセンターなどで売られています。池田炭が真っ白な菊の形をした灰になるさまを一度ご覧になって下さい、癒されますよ。( 炭火の取り扱いにはくれぐれもご注意ください。) -
遠赤外線効果
炭火には遠赤外線と近赤外線が出ています。 肉・魚などを炭火で焼くと美味しくなるのは、近赤外線が食材への熱の吸収が早く、旨みの成分(グルタミン酸)を閉じ込めてしまい、遠赤外線が中までしっかり火が通って美味しく焼ける訳です。 おもちをオーブントースターで焼いて芯が硬かったという経験ないですか? 炭火で焼くとそれがなくなります。遠赤外線で中までふんわり焼け美味しくいただけます。 もうひとつ大事なことがあります、ガス火などの火からは水分が出ているので、表面がカリッと焼けないのです、炭火は水分が出ませんので、表面カリッと中ジューシーな美味しい焼け方がします。 それから、炭火で焼いて灰が付着しも大丈夫、灰はミネラル成分ですのできたないどころか、身体にとっては有益なんです。 遠赤外線暖房器具が暖かく感じるのは、遠赤外線によって身体のしんまで熱が伝わるからです。 お風呂に炭を入れて入浴するとよく暖まります。これも遠赤外線の効果です。 -
ミネラルウォーター
昔は、飲料水をろ過するのに必ず炭を使っていました。 化学的に考えても理に適った使い方をしています。 何しろ炭には浄化効果があり、有害物質を吸着する性質もありますし、ミネラル成分が溶け出しますから、水がまずい訳が無いはずです。 今は、水道水をボトルや水差しに入れ、煮沸消毒した備長炭を入れて一夜置くと炭の中のカリウム・カルシウムなどのミネラル成分が水に溶け出し、美味しいミネラルウォーターになります。 おまけに、カルキ臭さも無くなります。また、やかんやポットに直接備長炭を入れ、お湯を沸かすとまろやかな味わいのあるコーヒーやお茶が楽しめます。 このように炭を使用される場合は、炭を3日に一度は、煮沸消毒をして下さい。 また1ヶ月に一度は天日干するのもいいでしょう。炭は紀州備長炭などの白炭をご使用ください。 輸入備長炭は避けた方が良いでしょう。 黒炭はこれには適しません。 -
電磁波対策
電磁波は人間の体と心に悪影響をもたらす可能性があるといわれています。 ご家庭内の全ての電化製品からも電磁波が出ています。炭には電磁波を和らげる効果をもっているのです。 あるIT企業の全てのパソコンの前には、炭が置かれているそうです。 -
整腸効果
炭は昔、胃腸の調子が悪い時に漢方薬として使用されていました。 炭には多少の殺菌作用も有るみたいで、体内に存在する有害物質を吸着させ排出する作用もあります。 食品添加物としても認められています。 炭は高温で焼くため、人体に悪影響を及ばす有害物質は焼却され、しかし人体に有効なゲルマニウム・カルシウムと言ったミネラル成分は残ります。 いくら炭が胃腸に良いからと言って炭をまるかじりするのはお勧めできません。 お止めください。 又そんな事をする人もいないと思いますが、食用として使用される場合は当店でお買い求め下さい。 炭パウダー超微紛(食品添加用)があります。 -
土質改善
炭を土壌に混ぜる事によって、炭の小さな孔が微生物の住みかとなり植物の成長を助け、水はけも良くなります。 化学肥料の使用過多や連作による地力の衰えには粉炭を使用します。 炭はアルカリ肥料にもなりますが、炭の小さな穴がバクテリアなどの微生物のすみかになって、それらが繁殖するために地力が回復したり、肥料が効果的に吸収されるようになります。 また、炭灰を撒くのも効果的です。灰にも炭同様に天然のミネラル成分が多く含んでいますので、無農薬栽培の肥料としてもよく使用されています。
池田炭と灰
炭を燃やせば必ず灰ができます。
茶道家にとって灰は命の次ぎに大事な物とされ、
火事になれば真っ先に持ち出すのが灰とまで言われています。
灰は200Kgの炭から約10Kg程度しか取れません。
またその灰を炉や風炉に使用する灰にするには、灰を篩い(ふるい)にかけ、
上質なきめ細かい灰のみを取り出し、その灰を水で洗い、不純物とあくを取り除きます。
(あくと言ってもこれはミネラル成分そのものなんですよ。)
あく取りをして綺麗になった灰を乾かし、その後、灰にほうじ茶や緑茶をしみこませ、
再び乾かすといった手間隙をかけ、やっと炉や風炉に使える灰ができる訳です。
また、茶道のシーズンオフには、灰を壺に入れて大切に保管します。
そんな行為を毎年も繰り返した灰は、20年も経てばわびさびのある見事な色合いの灰になります。
茶道家が灰を大切にする理由を理解していただけるでしょう。
池田炭の灰は、他のクヌギ炭より色が白くきめ細かくて上品さも兼ね備えていますから、茶道家にもてはやされている理由はここにもある訳です。 かの千利休も、池田炭の灰は「色合いからして他の炭灰と違う上品さを持っている」と納得したそうです。
灰は、茶道や囲炉裏・火鉢の使用だけではありません。
灰は山菜のあく取りや藍染めなどでも利用されています。
最近は自然食ブームもあって、山や野原で山菜を採っている方の消費も結構多いそうです。
高級料亭のように、採ってきた山菜や野菜のあく抜きで灰が使われることが多くなってきたそうです。
最近は中国産クヌギ炭が安く出回っています。
単に燃料として使用するには問題がないと思いますが、
中国産クヌギ灰を山菜のあく抜きなどに使用するのは、やめた方が無難だと思います。
なぜならば、現在、中国産食品の安全性が問題になっているからです。
植物自体に重金属や体にとって有害な物質を含んだ食品が出回っていたりしています。
そんな土壌で育ったクヌギや楢と言った炭の原木が有害物質を含んでいないとは限りません。
灰の原料はクヌギや楢と言った自然界の木を原料にしています。
人間の口に入るの物ですから、安全性が確認されるまでは、
中国産の炭灰を山菜のあく取りなどに使用するのは避けたほうが良いでしょう。
安価な炭に御注意!!
上記で述べたように炭には様々な効果があります。
しかし全ての炭に効果があるとは限らないのです。
例えば、ホームセンターなどで売られている安価な炭は、短時間で商品化する為、窯温度が充分に上がらないうちに炭を窯から出します。 そのため不純物が炭に残り、着火後に煙が出たり、悪臭がしたり、爆ぜたりします。 これを読んでいる皆さんの中にも、バーべキューの時にこのような経験をした人がおられるでしょう。
炭火焼でひどい時には、食材に悪臭や煙がついてしまい、せっかくの食材が台無しになってしまう事もあります。
屋外での使用は、気にならない事が多いですが、室内使用だと悪臭や煙が充満する事があります。
全ての安価炭がそうだとはいいませんが、そんな炭が多いことも事実です。
炭は高温で焼いてこそ炭の効果が出るのです。
安価な炭を浄水用・炊飯用に使用する事などは、もってのほか。絶対に避けた方が良いです。 ましてやお茶炭に使用される場合などは、爆ぜたりして大事な着物にこげ穴がついたり、悪臭が出たりして、お茶席が台無しになってしまいます。
良い炭は炭になるまでに手間隙が掛かる訳ですから、コストもそれはそれなりに掛かっているので、安くなる訳がありません。
いい炭と悪い炭の判断は、見た目では判断つきにくく、プロか炭を使い慣れた人でないと分かりません。 着火するのが一番分かりやすい方法ですが、買いに行った時などはそれも出来ません。 単純に高価・安価も判断基準のひとつですが、やはり信用の置ける店で買い求めるのが一番良い方法でしょう。
ニセ池田炭に御注意!!
最近ネットショップや通販において、池田炭と称して中国産クヌギ炭や池田炭以外(能勢・一庫・止々呂美産以外)の国産クヌギ炭を売っている業者がいるそうです。
池田炭は製炭者が少ないため、一般市場にそんなに沢山出るわけがありません。
ましてや、安く売られている場合や、製炭者の明記の無い物は、偽物と疑って掛かって良いでしょう。
ニセモノにはくれぐれもご注意下さい。
当店の池田炭は、能勢産クヌギ炭を使用しております。
炭は大切な資源
最近は、アウトドアーレジャーで郊外でのバーベキューが一般化し、バーベキューには必ずと言っていいほど炭を使用されています。
ホームセンターなどで5kg/500円前後で輸入木炭が山積みされて売られています。 キャンプ場などで炭を薪のようにどんどん燃やしている人を見かけますが、 いくら安いからと言って、必要以上に炭を使うのはどうかと思います。
安い輸入木炭は、森林保護を無視した伐採で木材を木炭にし安く売られているのです。
木が炭になるまでには相当な熱エネルギーを必要とします。 単に何かを加熱するだけなら、木をそのまま燃やす方がずっと効率的で安上がりなんです。 単に熱エネルギーとして考えるなら炭はものすごく効率の悪い燃料なんです。 上で述べたように炭は炭になるまでに大変な労力と時間が掛かっています。 炭作りの大変さが理解できれば、そのような使い方は出来ないと思います。
炭も大切な資源なんです。大切にご使用ください。
炭のデメリットと炭火使用の注意点
上記では炭のメリットを述べましたが、 残念ながら、炭にあるのはメリットばかりではありません。
燃える物を燃やすと必ず二酸化炭素が発生し、
酸素不足による燃焼(不完全燃焼)では、一酸化炭素が発生します。
炭も同様で、二酸化炭素や一酸化炭素が発生します。
そこで気を付けなければいけないのが酸素不足による一酸化炭素中毒です。
ガス器具などを使用する時に換気をするのと同様、炭火を熾した時にも換気が必要です。 最近の住宅は古い日本家屋と違って機密性が高いため、隙間風などによる自然換気が出来ません。 特にマンションなどの住宅は自然換気が出来にくいため、より一層の換気が必要です。
1時間に一度くらいは必ず換気を行って下さい。
炭火を使用中に、もし頭が痛くなったり、吐き気がする時は、直ちに充分な換気を行い、炭火の使用をおやめ下さい。
炭は、間違った取り扱いをしなければ、とても安全な燃料です。
炭火使用の取り扱いには、充分ご注意下さい。
炭の利用例
気品を兼ね備えた池田炭。色々な活用方法をお試し下さい。
- 冷蔵庫、流し台、水筒、クーラーボックス、下駄箱、車内等の脱臭
- 炊飯、金魚鉢、生け花等の水の浄化
- 靴、押入れ、タンス等の調湿、米びつの虫除け
森の名人
池田炭の炭焼き師・小谷義隆さんが
2003年新しい時代を拓く『もりのくに・にっぽん運動』にて、
『森の名手・名人100人』の内の1人に選ばれました。
炭焼き(黒炭)の部
全国7人の内の1人。
- 生産地
- 大阪府豊能郡能勢町 明月窯
- 生産者
- 小谷義隆
- 販売店
- 炭しょっぷ・だん